アントニオ・パッパーノは1959年12月にロンドンでイタリア人を両親に生まれた。米国で、ピアノ、作曲、指揮法をノーマ・ヴェリーリ、アーノルド・フランチェティ、グスタフ・マイヤーに学ぶ。キャリアの初めからオペラや劇作品に特別の愛情を示した。コレペティートルやアシスタント・コンダクターを務めながら、ニューヨーク・シティ・オペラ、バルセロナ・リセウ劇場、フランクフルト歌劇場、シカゴ・リリック・オペラ等の世界中の歌劇場との関係を瞬く間に築いた。バイロイト音楽祭では「トリスタンとイゾルデ」「パルシファル」「ニーベルングの指環」の上演でダニエル・バレンボイムのアシスタントを務めた。

 1987年、パッパーノはオスロ国立歌劇場で「ラ・ボエーム」で指揮者デビューし、1990年に音楽監督に任命されている。この間、コヴェント・ガーデン歌劇場(1990年6月「ラ・ボエーム」)、イングリッシュ・ナショナル・オペラ、サンフランシスコ・オペラ、シカゴ・リリック・オペラ、パリ・シャトレ座、ベルリン国立歌劇場で指揮者デビューを果たしている。

 パッパーノは32歳でベルギー・王立モネ劇場の音楽監督に任命された。任期中に「サロメ」「仮面舞踏会」「ニュルンベルクのマイスタージンガー」「カルメン」「オテロ」「ヴェルディ」「ピーター・グライムズ」「椿姫」「トリスタンとイゾルデ」「フィガロの結婚」「バラの騎士」「三部作」「期待/浄夜」「ペレアスとメリザンド」「ドン・カルロ」「アイーダ」等数多くのオペラ制作に携わった。またピアニスト活動も継続し、同劇場のリサイタル・シリーズで多くの国際的歌手の伴奏を務めた。

 1993年にウィーン国立歌劇場で、急遽クリストフ・フォン・ドホナーニの代役としてワーグナー「ジークフリート」の新演出を振り注目すべきデビューを果たし、絶賛された。1997年にはニューヨークのメトロポリタン歌劇場で「エフゲニー・オネーギン」の新演出でデビュー。同年、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者となった。1999年には「ローエングリン」の新演出を指揮してバイロイト音楽祭デビューを果たしている。

 パッパーノはまた、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、パリ管弦楽団、リヨン管弦楽団、ベルリン放送交響楽団(現・ベルリン・ドイツ交響楽団)、東京フィルハーモニー、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、ラジオ・フランス・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団、フランクフルト放送管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、スカラ座管弦楽団、ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団、ボストン交響楽団、ロンドン交響楽団、フィルハーモニア管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団等を指揮している。

 アントニオ・パッパーノはEMIクラシックス専属の指揮者としてレコーディングを行っている。これまでのレコーディングには「ラ・ボエーム」(エンハンストCD)「ドン・カルロ」「つばめ」等があり、「つばめ」は英国のグラモフォン誌の最優秀オペラ録音賞と年間最優秀レコード賞、フランスのル・モンド・ド・ラ・ミュジーク誌のショック賞と2つのディアパゾン・ドール賞、ベルギーのセシリア賞、ドイツのシャルプラッテン批評家賞、イタリアのムジカ・エ・ディスキ誌賞、米国の批評家賞等を受賞するなど多くの批評家から高い評価を受けた。ディスコグラフィはその他に、ロベルト・アラーニャ、アンジェラ・ゲオルギュー、ホセ・ファン・ダム、クリスティーナ・ガラルド=ドマス、マリア・グレギーナ、ニール・シコフらとの「三部作」、ロベルト・アラーニャ、トーマス・ハンプソン、パトリシア・プティボンとの「ウェルテル」等がある。2000年9月には、最初にアンジェラ・ゲオルギューやロベルト・アラーニャとマスネ「マノン」を、次にプラシド・ドミンゴやデボラ・ボイトと『ワーグナー:愛のデュエット』の計2枚のディスクをリリースした。2001年7月にプッチーニの『ミサ・ディ・グローリア』をリリースし、ついで11月に、ブノワ・ジャコ監督による新しい映画版プッチーニ「トスカ」のサウンドトラックをリリースした。EMIはまた昨年、ロベルト・アラーニャやアンジェラ・ゲオルギューとの共演によるヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」全曲録音や、「ニーベルングの指環」の数シーンを取り上げたワーグナーの2枚目のCDをリリースしている。2003年にはプロコフィエフ「協奏交響曲」をハンナ・チャンとの録音でリリース。パッパーノはグラモフォン誌の2000年度最優秀アーティスト賞を受賞した。

 1999年、アントニオ・パッパーノはコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督に指名され、2002年9月に就任。
2005/06年のシーズンにローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団の音楽監督に就任し、2007年7月ともに来日した。
別府アルゲリッチ音楽祭には2001年の第3回、2003年の第5回、2004年の第6回へ参加し、何れも東京藝術大学別府アルゲリッチ音楽祭特別オーケストラを指揮し、芸術性のみならずオーケストラの指導においても絶大な実力を発揮、絶賛を博した。なお2003年からは音楽祭のアドヴァイザリー・コミッティーを務めている。また2007年7月の別府アルゲリッチ音楽祭10回記念コンサートにローマ・サンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団を率いて参加、自身が音楽監督を務めるオーケストラの実力を十二分に発揮し会場を熱狂させた。

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