演奏会終了後の夕食でマルタ・アルゲリッチ(右から3人目)らと談笑する安藤さん(左手前)
〈1994年1月、大分銀行は世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの大分初公演に全面協力。その縁が、別府アルゲリッチ音楽祭の開催につながった〉

 93年の大分銀行創立100周年に合わせ、NHK交響楽団を招請しました。地域の皆さんに優れた演奏を楽しんでもらおうという思いからです。実は私もクラシックが好きで、ピアノを弾いていた姉の影響で、小学生の頃からレコードで聞いていました。

 アルゲリッチは当時から、世界最高の女性ピアニストでした。高橋靖周常務が頭取室で、そのアルゲリッチを大分に招くつてがあると言います。もちろん、実現すれば素晴らしいことですが、相手は世界が舞台の演奏家。「大分に来ることはないだろうな」という思いの方が強かったですね。

 実現できたのは、別府市在住のピアニストで、アルゲリッチと親しい伊藤京子さんが奔走してくれたから。94年1月、県立芸術会館(大分市、当時)で演奏会が実現しました。終了後の夕食会では、アルゲリッチがトロをおいしそうに食べていました。夜遅くまで音楽談議を楽しみました。

 そんな彼女の名前を冠した音楽祭を別府市で開くというのです。96年に別府アルゲリッチ音楽祭実行委員会が設立され、これまでの行きがかりもあって委員長を仰せつかりました。第1回の音楽祭は98年です。アルゲリッチの演奏はもちろんですが、若い演奏家を育てる場としてさまざまなプログラムを用意できました。会場のビーコンプラザ、いいちこグランシアタが世界水準の演奏に耐えられることも証明しました。

 今年の第22回演奏会は新型コロナウイルスの影響で延期となりました。残念でなりませんが、来年は彼女が何を弾くつもりなのか。思いを巡らせるのも楽しいものです。(肩書は当時)
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室内楽の夕べ

1994年1月11日(火)18:00〜
大分県立芸術会館 文化ホール(大分市)

≪出演≫
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)、ミッシャ・マイスキー(チェロ)、伊藤京子(ピアノ)、デュオ・クロムランク(ピアノ)、清水高師(ヴァイオリン)、加藤知子(ヴァイオリン)、豊嶋泰嗣(ヴィオラ)
≪曲目≫
シューベルト:幻想曲 ヘ短調 D.940、 ベートーヴェン:チェロソナタ 第5番 ニ長調 、ラフマニノフ:組曲 2番、 シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 op.44

主催/NHK文化サロン実行委員会
共催/大分銀行・NHK大分放送局
企画/(財)国際教育交流馬場財団JEEコンサート実行委員会


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