追悼

夏の盛りに悲しい知らせが届きました。
声楽家伊藤京子先生の訃報に、またおひとり日本の音楽界の基盤を作られ、発展に貢献をされた偉大な方を失ったのだと思いました。
心からお悔やみと、感謝を捧げたいと思います。

たまたま同姓同名ということから、ジャーナリストの石戸谷結子さんの発案で、光栄なことに「二人の伊藤京子」というコンサートを何度かさせていただきました。
東京芸術大学の大先輩でもあり、日本を代表する大きな存在の方との共演は、まだまだ駆け出しの存在であった私には畏れ多いことでもありました。
実際にお会いしたときには、温かく接してくださり緊張をしないように、そのご配慮が心に染みました。本当に素晴らしいお人柄に感銘を受けました。

コンサートへの心構えや多くの裏方の方々のお陰で、私たちは舞台に立てること、挨拶や感謝の気持ちが大事だ、という教えを頂いたことをありがたく思い出しています。
先生は気さくなお人柄の中に音楽家としての凛とした、品格をお持ちでした。

このような先生方が築かれた日本の音楽界も、時代の流れと共に変化をしていますが、先人逹の思いを繋ぐことの大切さを改めて感じています。
本当に貴重な経験をありがとうございました。
              合掌


公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団副理事長
別府アルゲリッチ音楽祭総合プロデューサー
伊藤京子




HOME